最後の声
 

聞いてしまったの
あなたを奮い立たせるあの歌
あなたの背を押して
肩を抱きしめて

振り向けはしないでしょう
でも呼びかける
どこかへ行くあなたを望まぬ人もいる

あなたが最初に知った安らぎ
その記憶が苦しいなら
あなたが最後に知る安らぎ
それがあなたの理想なの
そこにはきっと何もないでしょう
何もないでしょう

あの歌があなたの傷を癒すというなら
私に出来ることはもう何もない

振り向くと進めないというなら
何を追い越そうと
けして目をそらさないでいて

振り上げた腕をどこかに下ろすのなら
その一瞬のための永遠を感じて
何が終わりか知らぬあなたの耳に囁く
あの声の導きがあるというなら
あるというなら

迷いすぎるあなたの手を
あの歌が取るでしょう
進むべきほうへとあなたを引いて
そしてあなたは全てをあの声に捧げるのでしょう

聞いてしまったの
あなたに勇気をくれるあの歌
あなたの心に
儚さを注いで

もしもどこかで空が光ったなら
あなたにはあの歌がまだ聞こえるのでしょう
あの地平線のきらめき
命が消える時
あの歌が私の声になればいいのに
なればいいのに

聞いてしまったの
あなたを追い立てるあの歌
あなたの目を
優しく隠して

あなたが最後に耳を傾けたのが
あの歌であること
悔やまない日はないでしょう

最後の声を聞いたあなたを迷わせるものはもうない

最後の声を聞いたあなたを迷わせることはもうない



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