冬の月
冬の月

冬の匂いと夜の匂いがまざって
それだけで空気に溶け込めるような気がした
雲のわずかな切れ間から見える星が一つ
いつもの速度で空を翔ける

あの日の願いはもう叶わないのすでに知っている
それでも僕らは相変わらず 別の願いをかけるんだ

どこにいたって果てが見えない
灰色の雲の向こう 冬の月に何を祈る
たった一歩でも進みたい
本当はいったい何を望むのか わからないまま駆け出す

一瞬で消える流れ星は幻だって 不安が追いかける
どこか邪魔されない場所に行きたくて
ふりはらうようにただ夜の世界を走り続けた

このまま僕が何もかもを失おうとしても
心だけは惨めに抗う そんな気がして

描けたはずの夢はまた崩れて
それでも道を照らす 冬の月は残酷
何度めかの諦めた溜息 光に今溶け込んだ

足を止めることなんてできない
吐く息の白さの中 冬の月に何を祈る
できることなら世界にとびこみたい
そしてそのまま消えるんだ

望みは全てこの世界にある
それは僕がここで生きているから
いつまで逃げてもどこにだって希望だけの世界はない
わかっているはずの答え捨てて
冷たい冬の月に祈ってる
脆い心持ったままの足で行けるはずなんてなかった

描けたはずの夢はまた砕けて
その破片が欠けた月を満たせば
その光は強く強くなって もっと照らしてくれるだろう

逃げるんじゃない 進むために
僕は一歩踏み出す
大丈夫 迷ったりしない
道は月が照らしてくれるから


2005/11/10
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